食品ラベルとは|表示義務やルール・しなくていい場合などを解説
作成日:2015年7月29日
最終更新日:2024年08月14日
食品のラベル表示や包装には様々な表示義務や法律によるルールが存在します。自作する際の注意点や表示しなくていい場合など、包装食品のラベル表示に関する疑問や重要なポイントについて解説します。
目次
食品表示ラベルとは

食品表示ラベルとは、消費者に食品の基礎情報と安全性を伝えるために、食品の包装容器に添付するラベルのことを指します。食品表示法によって義務づけられており、食品関連事業者が対象です。
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食品表示法
食品表示法(平成25年法律第70号)は2015年4月1日に施行されました。以前はJAS 法・食品衛生法・健康増進法の3つが別々の法律のもと管理されていましたが、 食品表示法の施工により食品表示に係る規定が一本化されたのです。
食品ラベルの表示義務

食品表示ラベルには、義務付けられているものがあります。(以下、内閣府ホームページより引用)
食品の名称、消費期限・賞味期限、製造(輸入)者名、製造所(輸入の営業所)所在地、保存方法、添加物、当該製品を製造した原産国等について邦文で、容器包装の見やすい場所に記載することとされています。
食品ラベル|重要な6つの表示ルール

文字サイズや表示可能面積など、食品表示ラベルを作成する際に義務付けられているルールがあります。特に重要な6つのポイントをQ&A形式で解説します。
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Q1. 食品表示ラベルに用いる文字サイズは?
A1. 食品表示ラベルに使用する文字の大きさは、日本工業規格により8ポイント以上と規定されています。見やすい表示を確保するため、文字サイズには充分な注意が必要です。
Q2. 表示する文字の級数は8ポイント以下でも良い場合はある?
A2. 加工食品の場合、表示可能な全ての面積(表示可能面積)が150平方センチメートル以下であれば、文字サイズを5.5ポイント以上とすることが認められています。ただし、生鮮食品の場合は8ポイント以上の表示が必要です。ラベルサイズが限られる場合、長体フォントを使用することがあります。
Q3. 食品ラベルの「表示可能面積」とは?
A3. 表示可能面積は、袋物なら表と裏を合わせた面積であり、四角い容器なら6つの面積を合計したものです。これはラベルの面積ではなく、表示する領域を指します。
Q4. 一括表示とは何のこと?
A4. 一括表示とは、「名称」「原材料名」「内容量」「賞味期限」「保存方法」「製造者」など、特定の情報を統一的に表示する方法です。食品パッケージに記載される際には、表示の対象、方法、様式などに法的な規定があります。
Q5. 栄養成分表示の記載に規定はある?
A5. はい、栄養成分表示には規定があります。エネルギー(熱量)、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムの量を順番に記載することが求められています。これは消費者が製品の栄養情報を簡単に理解できるようにするための重要な情報です。
Q6. プラスチックリサイクルマークの意味とラベル表示方法は?
A6. プラスチックリサイクルマークは、プラスチックフィルムで包装された加工食品の場合、容器包装リサイクル法に基づいて表示されます。材質表示は法的な義務ではありませんが、使用されている材質の情報提供が推奨されています。表示する場合、マークの近くに最も重要な材質を先に表示し、アンダーラインで区切ります。
食品にラベル表示をしなくてもいい場合はある?

食品のラベル表示は、容器包装に入っている加工食品については表示義務があります。原則として容器包装に入っている場合は表示が必要ですが、 購入時にはじめて容器包装に入れられる食品は義務表示の対象外です。
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表示義務対象外の例
たとえば、ケーキ屋のショーケース内にある生菓子や、パン屋でばら売りされている包装されていないパンなどは対象外といえます。また、容器包装に入れられた食品でも一部については表示義務がないケースもあります。
食品表示ラベルを自作する方法

食品表示ラベルは自作することが可能です。自作のラベルかテンプレートなどを使って必要な項目を記載し、食品ごとに特別ルールがないかチェックしましょう。
自作する際は、ラベルプリンターの使用が便利です。スマートフォンから印刷できるラベルプリンターもあります。
自作する際の注意点
食品ラベルを自作する際の注意点として、印字や表示内容にミスがないよう確認しましょう。また、食品表示法の改正内容についても都度確認することが大切です。
食品ラベルの表示には様々な規則とポイントが存在し、これらを適切に遵守することが重要です。OSPは食品業界での豊富な経験とノウハウを持っており、食品表示ラベルの制作に関するアドバイスやサポートを提供します。食品表示に関するご質問や制作の相談がある方は、お気軽にOSPにお問い合わせください。
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この記事の筆者

中嶋
OSP TOP NEWS 編集担当。
OSPの製品やサービスの情報から、包装や食品表示に関する法改正やトレンド情報まで、多岐にわたるジャンルの記事を20年以上にわたり執筆。
食品包装の豊富な知識を活かして、最近では製造メーカーの組合や、包材メーカーが主催の、衛生説明会に招かれて講師などを務める。
趣味はソルトルアーフィッシング。