水産加工品の表示【vol.513】
作成日:2024年5月24日
最終更新日:2024年07月05日
8月から9月は漁獲量が増える魚種が多い&観光シーズンにあたり、水産加工品が注目されるタイミングとなります。拡販のご準備にお役立ていただける、水産加工品の表示などをご紹介いたします。
ご参照!水産加工品の表示のポイント
魚類の干物
①原料原産地名
国産品の場合は国産である旨、輸入品である場合は原産国名(原産国名に水域名を併記することができる)を表示します。国産品は国産である旨に代えて、水域名、水揚げした港名、都道府県名等でも表示が可能。
②内容量の表示
内容重量をグラムまたはキログラムの単位で。個数などの単位は「〇枚(尾)」と表示します。
禁止事項があります!産地名の意味を誤認させる表示
A国産のアジを原料として、沼津で加工したアジの開きに「沼津産」と強調表示があった場合、「沼津」が加工地なのか原料原産地なのか不明確であり、消費者が誤認する可能性が。加工地の表示をあたかも原料の原産地であるかのように誤認させるような表示は、「産地名の意味を誤認させる表示」に該当します。この場合は、「加工地:沼津、原料原産地:A国」などと、区別して表記する必要があります。
かまぼこ類
①名称
1.製法や形状から「板付きかまぼこ」「蒸しかまぼこ」「焼きちくわ」「はんぺん」「揚げかまぼこ」
2.香味及び食感から「風味かまぼこ」
3.特殊な包装に入れた「特殊包装かまぼこ」等と表示します。
②原材料名
添加物以外の原材料は、最も一般的な名称で原材料に占める重量の割合の高いものから順に表示します。原材料の魚については魚肉の文字の次に、カッコ書きで魚種をまとめて表示することもできます。
③原料原産地名
魚肉練り製品は、鮮魚の魚肉から製造する場合、またはすり身を原材料とする場合、そして鮮魚とすり身を併用して使用する場合があります。
・鮮魚のみで製造した魚肉練り製品 → 原材料名:魚肉(たら(国産)、ぐち、えそ)、でん粉、食塩、…
・魚肉すり身のみで製造した魚肉練り製品 → 原材料名:魚肉すり身(外国製造)、でん粉、食塩、…
・鮮魚とすり身を併用して製造した魚肉練り製品 → 原材料名:魚肉、でん粉、食塩、… 原料原産地名:アメリカ製造(魚肉すり身)、国産(たら)
うなぎ加工品
①原材料名
うなぎ加工品の原料原産地表示は、原料原産地名の欄を設けず、原材料名欄に記載した「うなぎ」の文字の後にカッコ書きをして、原料うなぎの原産地を表示します。国産品は国産である旨に代えて、水域名、水揚げした港名、都道府県名等でも可能です。輸入品は原産国名(原産国名に水域名を併記することができる)を表示します。尚、うなぎ加工品を細切りにしたものは原料原産地表示の対象とはなりません。
②内容量
内容重量をグラム又はキログラムの単位で表示。または個数等の単位「〇尾」と表示することもできます。
・養殖と天然の表示
〈養殖〉うなぎの蒲焼等の加工品については、養殖と表示する義務はありません。
〈天然〉養殖の定義に該当しないものについて、すべてが天然と表示できるということではありません。事実として自然に生育したものであることを証明できるものにのみ「天然」と表示することができます。
さかなの削りぶし
①名称
魚類のふしを削ったものは、「○○削りぶし」、ふしに2番かび以上のかび付けをしたかれぶしを削ったものは「○○かれぶし削りぶし」と記載します。かつおのふしのみを削ったものは、「花かつお」と記載することができます。
②原材料名
「かつおのふし」「さばのかれぶし」など、原材料として使用した魚種名に「ふし」「かれぶし」の文字が併記されます。輸入品以外のかつお削りぶしは、「かつおのふし(国産)」のように原料原産地が表示されます。
③密閉の方法
削りぶしを容器包装する際は、酸化などの品質劣化を防ぐために空気を抜き、代わりに窒素ガスを入れて密封します。気密容器とは酸素透過性の低い容器のことです。
農林水産省が公表しております、『表示ミスをなくす取組』 をご参照ください!
https://www.maff.go.jp/j/syouan/hyoji/kansa/attach/pdf/kansa_kenshu-58.pdf
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この記事の筆者
中嶋
OSP TOP NEWS 編集担当。
OSPの製品やサービスの情報から、包装や食品表示に関する法改正やトレンド情報まで、多岐にわたるジャンルの記事を20年以上にわたり執筆。
食品包装の豊富な知識を活かして、最近では製造メーカーの組合や、包材メーカーが主催の、衛生説明会に招かれて講師などを務める。
趣味はソルトルアーフィッシング。