海のエコラベル|持続可能な漁業
作成日:2015年11月11日
最終更新日:2024年08月08日
海のエコラベルを見かけたことはありますか?海のエコラベルは青い魚のマークで、環境に配慮して捕獲された魚介類を証明しています。この記事では、持続可能な漁業の国際認証であるMSC認証と、どのように海洋資源の保護に関連しているかを解説します。
海のエコラベル
店頭で、青い魚のマークがついた水産物を見かけるようになりました。資源保全に配慮し漁獲した魚介類を証明するラベルです。今回は「海のエコラベル」について紹介します。
MSC認証とは
MSC認証は持続可能で適切に管理され、環境に配慮した漁業の認証制度です。認証漁業で漁獲された魚に『海のエコラベル』をつけて販売できます。
「海のエコラベル」のある商品を選んで購入し、海を守る活動に参加しましょう。
海洋管理協議会
海洋管理協議会MSC=Marine Stewardship Councilは、世界自然保護基金(WWF)などが設立しました。
イギリスに本部があるNPO「海洋管理協議会(MSC)」が、木材の産地などを保証する「森林認証制度」をモデルとして、1999年に始めたものです。
一定の地域で特定の魚を取りすぎないなど、海の環境に配慮した漁業を第三者機関が認証するシステムです。
持続可能な漁業の原則
MSCは、持続可能な漁業のため、以下の3原則を掲げています。
- 過剰な漁業を行わず、資源を枯渇させない
- 漁場の生態系やその多様性などを維持できる形で漁業を行う
- 国際、国内、地域的なルールに則した漁業を行う
MSCの規格の成果
認証を受けた漁業が、獲れたことを水産物に示し、消費者はそのラベルを見て商品を選べます。
2008年の10月までに1,800の海産物製品が40カ国で販売されるようになり、天然ものの海産物のおよそ8%以上がMSCの規格に従うようになっています。
持続可能な漁業のルール

持続可能な漁業のルールは以下の通りです。
- 資源状態や漁業の現状について調査を行い、情報が開示されている
- 漁獲してよい魚の種類や漁獲量、大きさ、期間、性別などのルールが決められている
- 漁獲方法と漁業規模は、生物の棲息環境などを十分考慮して決定されている
- 漁獲目的外の生物を混獲しづらい漁具や手段を使うこと
魚が再生産できる漁獲量を守ることは、漁業を持続することに繋がっています。MSCマークのある商品を選ぶことで海を守りましょう。
漁業の禁止ルール

漁業のルールでは、以下の4つを禁止しています。
- 密猟
- 乱獲
- 違法漁業
- 漁獲オーバー
エコラベルの表示

エコラベルの表示は以下のポイントに気を付けて表示しましょう。
- 直径:20mm以上で
- 色:C:100+M:60(CMYK使用時)
- 角度:水平に対し20°の傾き
- ®️の登録商標マーク
- CoC認証番号を表示
- ※MSCの主張文+HPアドレスを下記に忘れずに添付
以下の記事では、食品表示について詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
関連記事:食品ラベルとは|表示義務やルール・しなくていい場合などを解説
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関連記事:食品スーパーの水域表示|食品の安全性への対応
関連記事:包装食品の不当表示|景品表示法
まとめ
「海のエコラベル」は、青い魚のマークが付いたラベルです。海のエコラベルを目印にして、消費者は環境に配慮した水産物を購入できます。
この記事の筆者

中嶋
OSP TOP NEWS 編集担当。
OSPの製品やサービスの情報から、包装や食品表示に関する法改正やトレンド情報まで、多岐にわたるジャンルの記事を20年以上にわたり執筆。
食品包装の豊富な知識を活かして、最近では製造メーカーの組合や、包材メーカーが主催の、衛生説明会に招かれて講師などを務める。
趣味はソルトルアーフィッシング。