変幻自在!紙器パッケージの世界

変幻自在!紙器パッケージの世界

作成日:2025年11月26日最終更新日:2025年12月05日

大阪シーリング印刷株式会社|紙器パッケージの専門家

ハコ先生

1988年に入社し、ラベル・フィルム部門のデザイナーとしてキャリアをスタート。2008年紙器パッケージ事業立ち上げの際に責任者を任せられ、以降パッケージデザインの道を極める。既成概念にとらわれない自由な発想で数々の紙器パッケージを生み出し、特許取得やコンテスト受賞実績も多数。OSPで製造可能なラベル、フィルム、パッケージを組み合わせた、今まで世の中になかったオリジナル商品を開発すべく邁進中。

目次

    紙器パッケージのプロフェッショナル“ハコ先生”スペシャルインタビュー「紙器パッケージの可能性」

    大阪シーリング印刷株式会社(OSP)の“ハコ先生”こと、紙器パッケージの専門家が登場。
    紙器パッケージならではの特徴や魅力、秘めたる可能性について大いに語ります。

    ─まず前提として「紙器パッケージ」とは、具体的にどういったものを指すのですか?

    ハコ先生:大きく分けて原料が板紙(ボール紙)のものと、段ボール素材のものに分けられます。OSPでは、主に板紙(ボール紙)を使用したパッケージを製造しています。

    ─紙器パッケージにおいて、お客様からはどのようなオーダーが多いですか?

    ハコ先生:お客様のオーダーとして多い要望は主に2つ。1つ目は「意匠性」で、“かわいい”、“おしゃれ”、“シャープ”など、お客様が求めるイメージをいかに表現できるかが問われます。2つ目は「機能性」。異物混入を防ぐロック機能や、簡単に開けられること、組み立てやすいこと、什器として二次利用もできることなど、さまざまな機能を求められることも多いです。それらを兼ね備えたオーダーもよくいただきますが、ご要望を両立できてお客様に喜んでいただいたときに充実感を得られます。

    ─あらゆる素材のパッケージが存在する中で、紙器パッケージが持つ魅力は何ですか?

    ハコ先生:紙器パッケージを取り入れることで、商品に付加価値を加えられることです。例えば、佃煮や漬物など、透明の袋に入れてラベルだけ貼って、そのまま売られているケースが多いですよね。そこに紙器パッケージを使用すれば、一気に高級感がアップ。デザイン次第でより華やかに、ギフトにも使える一品へと高めることができます。

    ─では、時代の流れによるトレンドやニーズの変化などは感じますか?

    ハコ先生:近年はSDGsの観点から、パッケージ分野においても“プラスチックから紙へ”という動きが高まっていると感じます。実際に古くからあるロングセラー商品でも、プラスチック容器だったものが紙製の箱に変わったり、プラスチック製の袋だったものが紙製の袋に変わったりしていることから、全体的に紙器パッケージのニーズが高まっていると言えるのではないでしょうか。

    ─最近では地球にやさしい、エコな紙素材も増えていますよね?

    ハコ先生:そうですね。再生紙をはじめ、適切に管理された森林の木材から作られる紙や、森林の間伐で発生する木材を利用した間伐材紙、木材以外の植物を原料とする非木材紙など、一昔前に比べてエコな紙の種類はどんどん増えています。今後はこれらを上手く取り入れた、よりエコな紙器パッケージのニーズも高まっていくでしょう。

    ─最後に、これからの紙器パッケージの可能性についてどう考えていますか?

    ハコ先生:紙器パッケージはいずれも元を辿れば一枚の板紙です。そう考えると、紙器パッケージの可能性は無限大。何の変哲もない一枚の紙にどのような機能を持たせるのか? どのような形に立体化していくのか? これからもお客様から寄せられるニーズの数だけ、新たな紙器パッケージを生み出していきたいです!

    こんな時どうすれば良いの?教えてハコ先生!

    これまでさまざまな質問や要望に応えてきたハコ先生。中でもユニークさが際立つ3つのケースをご紹介します。

    Q1:海外からの観光客向けに、パウチに入った日本酒を発売します。日本らしさはもちろん、商品価値が上がるような見た目にしたいのですが、どうすれば良いでしょうか?

    A:パウチの上からかぶせる、侍が着用していた裃(かみしも)風の紙器パッケージはいかが?
    シール・ラベルのデザインを工夫するよりもインパクトがあり目を引きます。また、柔らかなパウチにシールを貼るのは一苦労ですが、これなら上からかぶせるだけなので簡単です。
    この紙器パッケージは実際に採用、商品化されています。他にも歌舞伎の衣装、プロ野球チームのユニフォームなどさまざまなデザインに展開され、イベントのノベルティや球団のオフィシャルグッズに採用されています。

    Q2:電車の新型車両がデビューします。PR用にペーパークラフトを作ってもらえませんか?

    A:せっかくなら、誰もが気軽に楽しめるペーパークラフトを!
    通常はハサミで切ったり、ノリで貼り付けたりといった手間がかかりますが、折り目に沿って組み立てるだけの簡単な作りにすれば、誰もが手に取りやすく、イベントでの展示、ノベルティとしての配布、グッズとしての販売など、幅広いシーンで活用できます。一枚の紙から一両ではなく複数車両が出来上がるようにして、さらに連結部分がクネクネ曲がる機能を付ければ、楽しさ倍増です。
    このペーパークラフトは実際に、全国の電鉄会社やバス会社などから多くの発注をいただいています。車両の連結部分が曲がる仕様(稼働構造)はOSPの発明として、2025年に特許を取得しています。

    Q3:複数個でも持ち運びやすく、見た目もオシャレな箱ってありませんか?

    A:手提げスリーブでまとめられる&変形可能な紙器パッケージを提案します!
    複数の箱を重ねて手提げスリーブでまとめれば、見た目はスッキリ、持ち運びやすさは抜群です。
    さらに、本体を45度回転させて装着すれば、なんと星型デザインに変形する仕掛けも。機能性はもちろん、見た目の楽しさもプラスしています。
    ※この紙器パッケージは、2020年に行われた環境省主催の「Newドギーバッグアイデア コンテスト」パッケージデザインの部で、奨励賞を受賞しました。

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