「毎日小魚」の包材リニューアルと試験販売を支援し販路拡大に貢献

株式会社海祥
- 業種・サービス
- 小魚・海藻類の加工・製造・販売等
- 本社所在地
- 宮城県
株式会社海祥 商品企画開発課長の池田真里子様に、大阪シーリング印刷株式会社(以下、OSP)とのお取引の経緯と、得られた効果について詳しくうかがいました。自社ブランド「毎日小魚」の刷新にあたり、OSPによるデザイン提案を採用。小ロットに対応できる印刷方法を活用して同シリーズのテスト販売を行い、販路を拡大されています。
お客様の課題
- 既存パッケージは売場で埋もれ、若年層に訴求できていなかった
- 既存顧客であるシニア向けの可読性、若年層向けの視認性を両立する必要があった
- テスト販売から本番移行までの見栄え維持、廃棄ロス最小化の両立が難しかった
OSPの提案
- デザインのトーンを見直しつつ、情報設計を標準化して「見つかる・読める」を両立
- シリーズにデザインの共通ルールを適用して運用を最適化し、小売店の棚に統一感も
- テスト販売には小ロットのラベルを活用し、印刷品質を保ちながら包材の廃棄ロスを最小化
購買層の拡大と視認性向上のため、人気シリーズのリニューアルを決定
貴社の事業や商品について教えてください。
池田様:当社はシラスやアミエビなどの海産物の加工品を製造・販売しています。量販店向けの自社ブランドを中心に、得意先の要望に合わせた生産委託も並行し、比率はおおむね半々です。原料は近隣で水揚げされるものを使うほか、東京・豊洲にあるグループ会社を通じて全国から調達。一部は海外原料も用い、品質と安定供給を両立しています。中でも当社のロングセラーは「毎日小魚」シリーズで、地元のみなさんにとってはおなじみの存在。主なお客様は高齢層ですが、離乳食などで子育て世代にも支持をいただいています。
写真左が従来パッケージ、右が新パッケージそんな人気シリーズのリニューアルに踏み切ったのは、なぜですか?
池田様:「毎日小魚」は長年にわたり支持されてきましたが、より若い年齢層にも訴求したいと考えたからです。また塩干系の棚では良くも悪くもなじんでしまい、「海祥の商品」としての存在感を発揮しきれていないと感じました。そこで昨年秋、リブランディングを正式に決定。50代〜80代のメイン顧客に加え、30代〜40代の子育て層をサブターゲットとすることを要件と定め、複数社から提案を募るコンペ形式を採りました。
重視したのは2点で、まずは視認性の高さ。ロングセラーだけに消費者も高齢化してきており、見やすく、商品の特徴が伝わりやすいパッケージであることが大事だと考えました。そして、若いお客様にも届くよう、ポップなトーンへの変更を試みました。一次選考で数社に絞り、社内の関係部署でレビューを実施。さらに、メインの購買層に近い自社の従業員にもヒアリングを行いました。このような事例は、意思決定層の好みに準じてしまうケースも少なくないと思いますが、前述したふたつのテーマのバランスを最後まで重視し、検討を重ねました。
OSPのデザイナーとの協業、ラベルの仕様変更で提案力の高さを実感
OSPの提案を採用された理由を教えてください。
池田様:OSPさんのデザインは「読みやすい・見つけやすい」が具体化されており、シリーズとして運用していく上でのルール、量産時の安定性まで考慮されていたのも信頼できると感じました。またこれまでにあらゆるパッケージを手がけられているので、今後シリーズの商材が広がった際も対応してもらえるのでは、という期待もありました。そして、採用の理由で大きかったのは、OSPさんはデザイナーさんに同席いただいて、しっかりと対話できたこと。その場で意図を伝えることができ、スピード感を持って進められたので、何より安心感がありました。

取り組みの中で、特に印象的だった提案はありますか?
池田様:「毎日小魚」には、透明なフードカップに入った商品もあります。こちらも表示面積を広げる方法を考えていました。社内では、帯状のフィルムを巻きつけるのが有力と考えていましたが、資材単価が高く、当社の機械では巻けないため手作業となり、人件費も膨らむことが課題になりました。そこへOSPさんから「のり無し領域を設け、カップ上面からはみ出させるラベル」の提案がありました。この方法なら、ラベル面積を広げて可読性を高められ、既存設備で貼り付けできる。運搬、陳列時に部分的に剥がれてカップ同士がくっつく等の心配もありません。デザインとコストを両立でき、「これだ!」と思いました。鮮やかな課題解決で、スペシャリストの引き出しの多さを実感しました。
リニューアル後は、どのような反応がありましたか?
池田様:切り替え後の商品は段階的に投入しているので、定量的な評価は限定的ですが、新規のお取引やお問い合わせが明らかに増えています。消費者からも「商品が見つけやすい」「明るくなって手に取りやすい」といった声が届くようになりました。売場での第一印象が改善したことで、伝統の調理法を生かした栄養豊富な商品を、より広く届けられるようになりました。小売店のバイヤーさんからは「シリーズで並べやすく、棚の統一感が出る」と好評で、シリーズと認知しやすい統一感は導入の追い風になっています。導入を検討するにあたり、テスト販売を求める小売店様もあり、そこでもOSPさんに協力いただいています。
テスト販売の意義を見越した印刷方式で、ロスを抑えながら効果を発揮
テスト販売では、どのようなことが課題となるのですか?
池田様:段階的にパッケージを切り替えているため、テスト販売では仮デザインで納品するアイテムも発生します。しかしその資材は、本デザインが提供できるようになるとロスになってしまいます。短期間で売場の反応を見る前提なので、資材ロスを防ぎつつ、本番と遜色ない見え方を再現するのが最大の課題です。
そこで初めは、当社でも印刷可能なサーマル印刷を希望しました。作成してもらったベースに商品名を印字する方式なら、コストを削減できると考えたからです。しかしOSPさんからは、キャストコート紙+インクリボン印刷のラベルを提案されました。いかにもテスト品という仕上がりになってしまうサーマルと比べると品質の違いは歴然。有意義な試験販売になったと考えています。また小ロット対応してもらうことで、コストとロスも抑えられています。
今後、OSPに期待されることは何でしょうか?
池田様:現時点ではテスト販売を実施したケースは9割がた正式導入に進む流れになっています。有効なテスト販売は、当社にとって新たな武器になりました。売り場の演出なども視野に入れながら、この提案方法をアップデートしていきたいと考えています。効果や再現性を高めるためにも、継続して協業してもらえるとうれしいですね。
株式会社海祥について
宮城県名取市に本社工場を構える水産加工メーカー。しらす・ちりめんなどの小魚や海藻を原料とする食品の製造・卸売に取り組んでいる。量販店向けの自社ブランドだけでなく、OEMや共同企画にも対応。震災後に新工場を整備しHACCP認定を取得し、安全かつ品質本位の供給体制を実現した。地元産の食材を積極的に活用するほか、品質保持の長期化を図り技術開発を推進。伝統の味をアップデートさせ食卓へ届けている。
https://kaisho.net/index.html