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小ロットのデジタル印刷×ICHI-GO-CAN®︎で日本酒を世界へ発信!

株式会社Agnavi

業種・サービス
酒類製造・販売
本社所在地
神奈川県

株式会社Agnavi 代表取締役の玄成秀様に、大阪シーリング印刷株式会社(以下、OSP)とのお取引の経緯と、得られた効果について詳しくうかがいました。各地の酒造会社と提携し缶入り日本酒を展開する同社は、発色が良く小ロットで製作可能なデジタル印刷ラベルを活用し、蔵元や商品の魅力を発信しています。

お客様の課題

  • 小ロット・多品種で商品を展開し、多彩な日本酒の魅力を伝えたい
  • 購買意欲をかき立てるデザインや、売り場での見映えが重要
  • 出荷作業や店頭での陳列を効率化する工夫をしたい

OSPの提案

  • 小ロットでラベルを印刷・提供することで多品種の商品展開を後押し
  • ラベルの加工技法を使い分け、五感に訴える商品を実現
  • オリジナルの6缶ケース、透明バッグを提供し、運搬と陳列を改善

地方の蔵元と世界をつなぐために着目したのが一合缶だった

貴社を立ち上げたきっかけと、玄社長が抱えていた課題意識を教えてください。

玄様:中学時代を北海道で過ごし食文化に関心を持ち、大学でも食品について学んだのですが、世間では食の安全性が重視される一方、地方の小規模事業者がその基準に対応するのが難しいと知りました。お酒を含むあらゆる分野で“安全”と“おいしい”を両立させられない現状に、疑問を抱いたんです。特に日本酒業界は縮小傾向で、国内市場は約4,000〜5,000億円。ピーク時の約1/3といわれています。都市部や海外には「おいしい日本酒を飲みたい」というニーズがあり、まだ知られていない多くの酒蔵様には「おいしい日本酒」があります。ただ、市場のニーズと酒蔵は、必ずしもつながっているわけではありません。このミスマッチ解消を目指し、この事業──蔵元さんからお酒を仕入れ、新たな販路で国内外へ展開させる仕組みづくりを始めました。

「ICHI-GO-CAN®︎」などの日本酒ブランドを立ち上げた貴社ですが、なぜ一合缶というフォーマットを選んだのでしょうか?

玄様:従来の4合瓶は重い・割れる・飲み切れないというデメリットがありました。また「いろんなものを少しずつ飲みたい」「初めての銘柄で、大きな瓶を買って失敗したくない」という消費者心理との相性も良くなかったんです。一合缶の大きな利点は、グラスを用意しなくてもいいこと。開封してすぐに飲めるRTD(Ready To Drink)カテゴリーの開拓は、消費増に直結します。ビール業界は缶商品が普及したことで市場が3.5倍になった過去があり、日本酒も同じ未来が描けるはずだと考えました。将来的には、1兆円規模の市場に成長することも十分に可能です。

日本酒を容量180mlの一合缶に充填・販売する「ICHI-GO-CAN®︎」

小ロットで多品種展開が可能な缶ラベルは、購買体験に変化を生んだ

OSPとのお取引が始まった経緯を教えてください。

玄様:営業の方から連絡をいただき、缶ラベルを提案してもらったのがきっかけでした。事業の初期で、提携する酒蔵様もまだ10〜20蔵ほどだったころです。OSPさんの事業規模からすると、最初の取引額はかなり小さかったと思います。にもかかわらず、どこからか私たちの取り組みを察知し、将来性を見出してくれたのだと思います。ラベルを作ってもらうようになり、しばらくして現場の従業員から「製品不良がほとんどない」と聞き、ますます信頼が高まりました。

OSPの缶ラベルを導入したことで、ビジネスにどのような変化がありましたか?

玄様:まず小ロットで短納期という点は、商品のバリエーションを広げる上で非常に役立っています。例えば同じお酒でも、販路やイベントに合わせ、ビジュアルを変えて提供できます。この小回りの良さはラベルにしかできないことです。また異なるデザインを制作し3缶セットにしたところ、特にお土産屋さんで喜ばれており、客単価が高まる効果もありました。売上が伸びれば、各地の蔵元さんにより大きく貢献することができます。実際に当社が協業する蔵元さんは、事業開始から4年間で150蔵様に増えました。さらにデザインを変えた商品を少量ずつ出荷し、テスト販売を行うこともできます。お客様のリアルな反応を得られ、試行と改善のサイクルが高速化しました。

ラベルそのものの特徴も、消費者の購買体験に変化をもたらしているのでしょうか?

玄様:缶全体を覆う形で自由にデザインできるので、これまでのお酒と全く違う印象を与えることができます。例えば各蔵の旧来のロゴを使うのではなく、イラストで商品の背景を伝えるなど、新しい手法でお客様にアプローチできます。さらに採用する加工技法により、印象をガラリと変えられるのもラベルの強みです。OSPさんのデジタル印刷は発色がいいだけでなく、高級感を印象づけたいときには金の箔押し、など選択肢も豊富。私たちは、商品を持ったときの肌触りも、商品の魅力を伝える要素のひとつだと考えています。缶ラベルは単に好印象を与えるための装飾ではなく、五感を使ってストーリーを伝えるためのメディアなのです。

当社のICHI-GO-CAN®︎シリーズでは、多くの商品にポップなデザインを採用しています。これまでの日本酒売り場になかったビジュアルは、通りがかった人にある種の違和感を与え、足を止めるきっかけになるのです。トレンドを捉えたデザインは、日本酒に対する「古い」というイメージを変える力があります。当社商品は、要人や海外からのゲストをお迎えするレセプションでもご利用いただいていますが、スタイリッシュかつ日本らしい選択肢として喜んでもらえています。国内でも、若い人が一合缶を進んで手に取る、という新しいシーンを創り出すことができると信じています。

蔵元様の顔をイメージしたラベルデザイン

売り場に変化をもたらす6本ケースで、小売店へのアクセスが増大

OSPとの取り組みの中で、印象的だったことはありますか?

玄様:2025年には、一合缶専用のオリジナル6本ケースを共同開発しました。シンプルに見えますが、落下防止などに配慮して設計されています。導入したことで運搬性が上がっただけでなく、商品提案の幅が広がりました。缶とはいえ、単一の日本酒を30本仕入れるというのは、店舗によっては抵抗感のある取引です。それを6本×5種類にして送ると、同じ30本でもバリエーションが生まれます。陳列棚の占有面積が低い場合でも、売り場に変化を演出できるとあって喜ばれています。ピッキングコストは導入前とほぼ同水準をキープしつつ、小売店へのアクセスは増大しました。

実は、初めにOSPさんからケースの提案を受けたとき、私自身はピンときていなかったのですが、製作・運用してみると、このようにさまざまなメリットがありました。顧客も気づいていないニーズを発見し、先んじて提案する力はすごいなと感じています。また海外では、ばら売りがなく6本パックでの梱包が前提。海外進出を加速させる上でも欠かせないプロダクトです。

一合缶専用のオリジナル6缶ケース

今後、OSPに期待されることは何でしょうか?

玄様:当社は今後、海外展開を本格化させていく予定です。その際、ラベルそのものや表記に関する知見は不可欠です。日本酒の輸出が伸びにくい理由のひとつに、現地表記への切り替えがあります。各酒蔵様がそれをするのは非合理的でハードルが高いのですが、私たちが一手に引き受ければ、欧米での引き合いに応えられると考えています。海外に合わせた表示の規格化なども、有効かもしれません。新たな領域を共に開拓するパートナーとして、これからもOSPさんと協力していけたら心強いですね。

株式会社Agnaviについて

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2020年創業のフードテック企業。全国150以上の蔵元と協業し、日本酒を容量180mlの一合缶に充填・販売する「ICHI-GO-CAN®︎」などのブランドを展開している。軽量かつ遮光性のあるアルミ缶に多彩なデザインを施すことで、ビールと同様、瓶に次ぐ選択肢としての定着と市場拡大を図る。季節限定商品や企業コラボ品などを次々に投入し、若年層や海外市場を開拓しつつ、地方酒蔵の販路拡大と文化継承を推進している。

https://agnavi.co.jp/

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