【日本ワインの表示義務・ルール】ラベル表示例でわかりやすく解説
作成日:2018年10月4日
最終更新日:2024年07月18日
日本ワインの産地表示ルールや裏ラベルの表示義務に関してまとめました。なお、ワインの産地表示に関するルールは2018年10月30日に改正されています。
目次
ワインの産地表示ルールが改正【2018年10月開始】

2018年10月30日にワインの産地表示ルールが改正され新しくなりました。国内にはこれまで明確なルールがなく、原料が輸入果汁でも日本産と表示ができましたが、今後は厳格化されます。
国産のブドウのみ使い国内で醸造したワインを「日本ワイン」とよび、それ以外のワインが「国内製造ワイン」と分けられます。さらに、地名の表示ルールも変更となりました。

なぜ表示ルールが改正された?
国産ワインが国際的なコンクールで入賞するなど注目が集まる中、表示ルールを海外の主要なワイン生産国の基準に合わせることで、信頼性やブランド力を高める狙いがあります。
「日本ワイン」の定義・産地表示のルール

産地名、ブドウの品種、収穫年に関してルールが設けられています。「日本ワイン」と表示するには国産ブドウを使って国内で醸造することが条件です。産地を表示する場合は地域で収穫されたブドウを85%以上使う必要があります。
2018年10月30日から適用され、罰則(50万円以下の罰金)もあるので注意が必要です。
日本ワインの表示義務《一括表示欄がポイント》
日本ワインの場合、一括表示欄に「日本ワイン」と表記することが義務づけられています。また、日本ワインに限り産地名、ぶどうの品種、ぶどうの収穫年を表示することが可能です。
【ラベル表示例】裏ラベルの表示は義務

日本ワインのラベルの表示は、表ラベルは「任意表示」、裏ラベルは「表示義務」となっています。実際にラベルへ表記する項目を表示例を使ってわかりやすく解説します。
表ラベル
1.産地名
図のワインの産地は長野県です。長野県産のぶどうを85%以上使用して長野県内で醸造されました。
表示例…「長野産」、「長野」、「長野産ぶどう使用」、「長野のワイン」など
2.ぶどうの品種名
シャルドネ単一の品種を85%以上使用しています。
3.ぶどう収穫年
同一収穫年(2017年)のぶどうを85%以上使用しています。
4.品目名
酒税法上の酒類の品目は果実酒です。
5.日本ワインである旨の表示
表示例…表ラベルに「日本ワイン」、「JapanWine」など
裏ラベル
1.食品表示基準に基づく一括表示
2.未成年者の飲酒防止に関する表示
3.アルコールと健康等に関する表示
1妊産婦への注意
2消費と健康
3容器リサイクル
上記3項目から任意で選択して表示。
4.品目名
酒税法上の酒類の品目は果実酒です。
5.日本ワインである旨の表示
表示例…裏ラベルに「日本ワイン」
【Q&A】原材料のブドウが85%以上を地元産でまかなえない場合の表示方法は?
「産地名+ワイン」の商品名を表示できません。ブドウを同品種でも他産地とのブレンドする商品の場合、商品名を変更するメーカーも出てきています。
表示例

「長野県で収穫した以外のぶどうも●●%使用しています。」「長野県は原料として使用したぶどうの収穫地ではありません。」などの表示が必要です。
国税庁HPより資料ダウンロード可能
日本ワインの産地表示ルールに関する資料は、国税庁のホームページよりダウンロードすることができます。
お問い合わせ
ワインのラベル製作について、まずはOSPまでお気軽にお問い合わせください。

この記事の筆者

中嶋
OSP TOP NEWS 編集担当。
OSPの製品やサービスの情報から、包装や食品表示に関する法改正やトレンド情報まで、多岐にわたるジャンルの記事を20年以上にわたり執筆。
食品包装の豊富な知識を活かして、最近では製造メーカーの組合や、包材メーカーが主催の、衛生説明会に招かれて講師などを務める。
趣味はソルトルアーフィッシング。