高品質な印刷物を作るためには、経験と知識が必要です。この記事では、製版処理における「ノセ」や「ヌキ」といった基本ルールについて紹介します。これらの技術を理解することで、印刷物の品質向上が期待できます。
「ノセ」と「ヌキ」とは

「ノセ」とは
「ノセ」は、ベタの色にK100%などの濃い色の文字や線を重ねる処理です。オーバープリントとも呼ばれ、色の境目に隙間ができないようにします。
「ヌキ」とは
「ヌキ」は、ベタの色と上に重ねる文字や柄の色が混ざり合わないようにする処理です。色を乗せる部分を抜くことで、意図したとおりの色を表現できます。
小さな文字や濃い色の部分は「ノセ」、大きな文字や明るい色の部分は「ヌキ」にすることが一般的です。
「ノセ」と「ヌキ」の見え方
「ノセ」の見え方

- 原材料などの小さな文字
- 細い線
- 細い書体や絵柄
「ヌキ」の見え方

- 濃いベタの色の上に明るい色を表現
- 大きな面積の文字
トラッピング処理

印刷機は精密ですが、多少のズレが生じる場合があります。そのため、色と色が隣接する部分をわずかに重ねる「トラッピング処理」が必要です。この処理により、仕上がりが大きく左右されます。
製版オペレータが「トラッピング処理」を判断し、凸輪転印刷では0.1mm程度、同系色では0.3mm〜0.5mmの「トラッピング処理」を行います。
まとめ
印刷の基礎知識として、「ノセ」「ヌキ」「トラッピング処理」を理解することは、品質の高い印刷物を作成するために重要です。これらの技術を正しく使い分けることで、色のズレや白地の露出を防ぎ、美しい仕上がりを実現できます。

この記事の筆者

中嶋
OSP TOP NEWS 編集担当。
OSPの製品やサービスの情報から、包装や食品表示に関する法改正やトレンド情報まで、多岐にわたるジャンルの記事を20年以上にわたり執筆。
食品包装の豊富な知識を活かして、最近では製造メーカーの組合や、包材メーカーが主催の、衛生説明会に招かれて講師などを務める。
趣味はソルトルアーフィッシング。