

三原美奈子デザイン|代表
三原 美奈子様
大学卒業後、デザイン事務所を経て2010年三原美奈子デザイン設立。さまざまな包材に対応し、箱の設計・構造から、コストとマーケティングを見据えたパッケージデザインを提案する。2012年にはパッケージデザイナーグループ「PAKECTION!(パケクション)」を設立。公益社団法人日本パッケージデザイン協会理事。
<PAKECTION!とは>
関西在住のパッケージデザイナーグループ。設立以来パッケージデザインの可能性を探究している。紙の専門商社・竹尾とタッグを組み、特殊紙を使ったパッケージデザインの創作展を定期的に開催。
目次
創造力を刺激するアイデア4選
パッケージデザインの世界に多く存在する、型や常識。それらを少しだけはみ出して、ユニークな作品づくりを行っているパッケージデザイナー・三原さんが手がけた、4つのアイデア作品をご紹介します。きっと当たり前を覆す、斬新なパッケージデザインのヒントが見つかるはずです。
ゲス(仕切り)を活かしてつくる、小人のお菓子工場「Dwarf's Pastry Factory」
箱の中で中身を支える、混ざらないように仕切るといった役割を持つゲス(仕切り)。普段は縁の下の力持ちであるゲスを主役にして作った、お菓子の詰め合わせパッケージです。タイトルは「Dwarf's Pastry Factory」。その名の通り、小人たちのお菓子工場をイメージしたデザインで、さまざまなゲスが楽しい世界を作り上げています。

餃子のように包み込む、紙の個包装の新提案「餃子幸福」
SDGsの推進で脱プラが叫ばれる昨今ですが、個包装はまだまだその機能性の高さから、プラスチックが主流です。それでも、フィルムの機能を魅力で超える、紙の個包装は作れないか?と考えて生み出したのが、餃子の皮のような個包装「餃子幸福」。コンタクトのりを使用し、紙同士が触れるところだけ接着することで、中身を包み込みます。

プラ容器から紙管へ、おうち時間を彩る綿棒「A,MENBO」
簡易なプラスチック容器が主流の綿棒パッケージは見た目のおしゃれさや詰め替えの習慣がなく、使い捨てされるもの。しかし、綿棒はもっと可愛くなれる!可愛くなれば捨てたりしない!と考えて生まれたのが、部屋に置きたくなるAクラスの綿棒「A,MENBO」です。現状のプラ容器とイメージが近い紙管で、蓋のタブを引っ張って開封。容器も中身もカラフルで、日常にウキウキをもたらします。

瓶を守り、魅せる、緩衝材の新形態「スミは1000%」
瓶を守る緩衝材として一般的なのは、“プチプチ”と呼ばれる気泡緩衝材。確かに衝撃から守ってくれますが、袋や箱から取り出した最初の印象が損なわれるのは否めません。そこで、紙一枚を使って複雑ではなくデザイン性のある緩衝材ができないか?と考えたのがこちら。一枚の紙を瓶が突き抜けているかのような見た目のインパクトある波状スリーブが衝撃を吸収し、このままショッパーに入れて持ち運ぶことができます(意匠登録済み)。真っ黒のデザインは、80年代初頭のパリコレで発表され時代を切り開いた黒い装いへのオマージュを込めて。



