
印刷・製造技術を応用し色紙シールや手帳シールなどヒット商品を展開

株式会社デザインフィル
- 業種・サービス
- 文具などの企画・開発・製造・販売
- 本社所在地
- 東京都
株式会社デザインフィル 𠮷田真由美様に、大阪シーリング印刷株式会社(以下、OSP)とのお取引の経緯と、得られた効果について詳しくうかがいました。デザインカンパニーならではのアイデアとOSPのスキルを掛け合わせ、ユーザー視点に立った多彩な製品を開発しています。
お客様の課題
- 理想の仕様や仕上がりを実現するための技術的なサポートが必要だった
- 企画やアイデアの幅を広げるうえで、多様な素材や技術を選べる環境が不可欠
- ユーザーにとっての使いやすさを追求し続ける体制が求められていた
OSPの提案
- 印刷・加工技術を駆使し、実現困難な仕様を具現化
- 豊富な知見と柔軟な対応力で、企画の自由度と開発スピードを支援
- 細部に至る設計改良や先回りの提案により、ストレスのない使用感を追求
ガラスのあり方を変えたヒット商品「デコレーションシール」で協業
OSPとのお取引が始まった経緯を教えてください
𠮷田様:1970年に発売した「デコレーションシール」を共同開発したのが始まりだと聞いています。そのころは自動ドアが急激に普及し、ガラス扉に貼り付けるシールの需要も高まりました。そこで接着面にもデザインを施し、ドアの内と外の両面を装飾できるシールとして商品化。空間の雰囲気を手軽に変えられる点が評価され、美容室や喫茶店で使われて大ヒットし、「みどり商會」(当時)の初期の代表作のひとつとなりました。以降、キャラクターを印刷した版権商品も展開するなど、長く愛されるプロダクトになりました。

空間の雰囲気を手軽に変えたデコレーションシール膨大な数のアイテムを企画・開発されている貴社ですが、どのような視点で商品を生み出しているのですか?
𠮷田様:当社は、かつて卓上文具だったメモ帳を改良し、持ち運びできる「ビジネスマンの文具」として「ダイヤメモ」を開発したり、主にサインの台紙だった色紙にデザイン性をプラスして寄せ書きを贈る文化を定着させるなど、人々の行動・習慣を変える製品をたくさん生み出してきました。現在もユーザーのニーズや困りごとに着目しながら、「ありそうでなかったもの」を作っています。しかし、その発想を製品に落とし込むには、自社工場だけでは実現できないことも多いのです。印刷や接着のプロであるOSPさんは、技術的なハードルを越えるために欠かせない存在です。
技術面での協力が商品化につながったアイテムには、どのようなものがありますか?
𠮷田様:デザイン色紙の進化版といえる「シール付色紙」も、OSPさんとの取り組みで生まれたヒット商品です。会社や学校などで寄せ書きをする際に「メッセージを集めるのに時間がかかる」「遠くのメンバーに書いてもらうのが難しい」「先に書いた内容が他の人に回覧されてしまう」などの不満がありました。そこで、切り離しできるシールを作成してもらい、色紙とセットにして販売。配布したシールにメッセージを書いてもらい、回収することで、寄せ書きがきれいに効率的に作れるようになりました。
色紙シールや手帳シールでも、技術・知識を活用し文具の新用途を提示
継続的なお付き合いをいただいている中で、メリットを感じるシーンはありますか?
𠮷田様:既存商品のアップデートに関しても、すぐ相談できるので頼もしいです。色紙用シールは、デザインや素材を変えながら現在も展開していますが、このうち半透明タイプのシールは「シールを貼ると、色紙自体の装飾が見えなくなってしまう」という課題から生まれたもの。透け感のある素材を使えば、シールと下の柄、あるいはシール同士で色が混ざり合って面白いのでは? という考えもあり、OSPさんに相談。結果、今ではシリーズの中でも一番人気を誇る製品になりました。私たちは、文具の新しい使い方を提案しつつ、それらをより良くできないか常に考えています。OSPさんには「それに適した素材は?」という段階から相談でき、課題解決につながる提案をもらえるので頼りにしています。 色紙シールに関しては材質以外にも、ミシン目の入れ方なども少しずつ改善してもらっています。梱包袋から取り出したときにシートが美しく見えるよう、一番外側はアンカットに変更。一方で内側は、お客様が切り離しやすいようカット部分の長さを調整する、といったふうに、私たちだけでは気づきにくい改善箇所を見つけてもらっています。当社の好みも熟知されているので、最初からかなり精度の高い提案をもらえるのも助かります。
透け感のある素材で、シールと下の柄、シール同士の色が混ざり合う
外側に切れ目がないアンカット処理 そのほかにも、印象的なプロダクトがあれば教えてください。
𠮷田様:スケジュール帳などをデコレーションする「手帳シール」も、素材の相談からスタートしました。既存製品のミニシールが手帳用に使われている、という情報を得て開発に着手。スペースの限られた手帳に貼るものなので「シール本体もセパレーター(台紙)も透明なら、貼る位置を決めやすい」という話になり、OSPさんにリクエストしたのです。一般的に、シールとセパレーターの組み合わせは決まっており、素材が制限されることがほとんど。製造工程を工夫してもらうことで「クリア+クリア」の仕様が実現しました。貼ってはがせるシールにしたい、シールにも書き込みができるように、という要望もかなえてもらい、機能面でも満足のいくものになっています。
貼ってはがせる「手帳シール」消費者目線の仕様改良や、パッケージ提案など“先回り”が心強い
今後、OSPに期待されることは何でしょうか?
𠮷田様:当社の特徴のひとつにユーザー目線の製品開発が挙げられますが、OSPさんはさらに先回りして課題を解消してくれます。プロならではの視点で素材や工程をアレンジし、製品不良をゼロに近づけるだけでなく、お客様の小さなストレスを軽減できるよう、改善を怠らない姿勢は心強いです。さらに、売り場での見映えを考慮した提案してもらうこともしばしば。例えば、シート状で販売する予定だったシールをロール状に変更することで、パッケージと陳列が立体的になり、製品の魅力がぐんとアップしました。 弊社は現在5つの自社ブランドを運営しながら、法人向け製品も手がけています。好評を得た自社製品を、企業のPRグッズに応用するケースも珍しくありません。その出発点となるのが、アイデアを形にする工程です。デザインカンパニーである当社の力を最大化させてくれる仲間として、これからも一緒に歩んでいけたらと思います。
株式会社デザインフィルについて

1950年に「株式会社みどり商會」として創設。便箋やノートなどの紙製品を起点とし、ステーショナリーを中心に幅広い商品を展開してきた。企業理念は「デザインによる社会と文化への貢献」。自社ブランド「ミドリ」や「トラベラーズカンパニー」などを通じて、生活を豊かにする文具を国内外に発信している。企画力の高さを生かして法人向け商品も手がけ、自社製品をベースに、ノベルティや販売品などを開発、提供する。
https://www.designphil.co.jp/