
ラッピングマシン「FWS-S1」が生み出した付加価値と出荷量増加
業種・サービス | : | 農業・野菜生産販売 |
---|---|---|
本社所在地 | : | 熊本県 |
5年前から熊本県内でいちごの栽培に取り組んでいるある農業生産法人のエピソードです。熊本ブランドとして発信されているそれらのいちごはアジア圏にも輸出されており、地域の価値向上にも一役買っています。しかし、出荷拡大を図る過程で、従来の作業方法による非効率性や、人手不足という課題が顕在化しました。そこで同社は、一部の作業を機械化できないか大阪シーリング印刷(以下、OSP)に相談します。OSPのラッピングマシンによって作業環境にはどのような変化がもたらされたのか、同社いちご部門の責任者・池永克典様にお話を伺いました。

お客様の課題
- ・商品ラッピングの効率化と省人化
- ・スタッフの作業習熟度による作業時間(出荷コスト)のばらつき

OSPの提案
- ・青果パックに特化したラッピングマシン「FWS-S1」を用いた作業効率化
出荷量の拡大により、作業の効率化と省人化が喫緊の課題だった

事業内容とOSPとのお取引が始まった経緯を教えてください。
池永様:弊社は熊本県山鹿市のブランドさつまいもである「灯籠蜜(とろみつ)いも」を主軸に、一年を通じて10品目以上の野菜や果実を生産・出荷しています。特に、将来を生きる子供たちのために、減化学肥料や減農薬による栽培方法に取り組んでおり、おいしくて安心できる食品を国内外に届けています。
いちご栽培を始めてからは年々ビニールハウスを増やし、それに比例する形で、生産量も順調に増えてきました。その一方で、働き手の確保は困難を極めています。
九州地方は慢性的な人口減少に加え、海外の半導体企業の進出が相次いでいる状況です。時給を少し上げただけでは、なかなか人は集まりません。これからも出荷を増やしていくために、作業の効率化と省人化は、弊社にとって必要不可欠でした。
県外の生産者さんから聞いたOSPラッピングマシン製品の性能
働き手不足などの課題への対応としてラッピングマシン「FWS-S1」を導入してくださいました。使用感はいかがでしたか?
池永様:作業の効率化と省人化のキーとなるのは、梱包作業です。元々OSPさんの機械は、使い勝手が良いイメージがあり、県外の生産者さんからも「良いマシンだよ」と聞いていました。最終的に導入を決めたのが、OSPのラッピングマシン「FWS-S1」です。
「FWS-S1」を実際にさわってみると、県外の生産者さんの言葉どおりでとても操作がしやすかったです。OSPの営業担当者さんの対応が素早い点も頼りになりました。機械の調整が必要なときもすぐに対応してくれるため、とても信頼しています。
作業の効率化と付加価値創出によって、出荷量は1期目の約4倍にまで増加

ラッピングマシン「FWS-S1」を導入したことでどのように梱包作業は効率化したのでしょうか?
池永様:今シーズン、弊社は柄が異なる2種類の梱包フィルムを使っているのですが、OSPさんの「FWS-S1」であれば、マシンにセットするのも簡単です。まず、1人でも梱包作業ができるようになったことは、省人化において大きな効果を発揮しています。
なお、2人体制でラッピングマシンを活用したら、100パックの梱包が1時間足らずで終わります。以前は2~3人がかりで、2時間かかっていたことを考えると、作業効率は2倍以上です。今では、梱包作業の際に2人のうち1人は手が空く時間が増えるため、ほかの作業も並行できます。単純に人件費だけを見ても、投資に見合う効果はすでに十分にありますね。実際、現在の出荷量は、1期目の約4倍にまで増加しましたから。
また、「FWS-S1」導入後は、作業時間が大幅に短縮されたので、作業に取り掛かる前のスタッフの精神的な負担も軽くなりました。彼らも「もうこのマシンなしでは考えらない」と話しています。

さらに、「FWS-S1」は、商品の付加価値を高める面でも役立っています。「FWS-S1」は、フィルムを巻くときの張り具合を、いちごを傷めない最適な強度に設定することができます。そのため、仕上がりがきれいに均一になりました。
果物は、売り場に並んだときにお客様が、「買いたい」「食べたい」と思ってくれることが大切です。ラッピングが美しいかどうかは、そこにダイレクトに関わる、気の抜けない作業だと思っています。今では出荷先や同業者からも、「どれもきれいに巻けている」と驚かれますよ。
「FWS-S1」は作業の標準化や効率化のみならず、教育コストの削減にもつながった

作業効率のアップ以外にも変化があったとお伺いしたのですが、それはどのような点でしょうか?
池永様:「FWS-S1」の導入によって、輸送中に果実に傷がついたり、つぶれたりする事例が減った点も大きなメリットです。飛行機で輸出する際、果実に最も衝撃が加わるのは着陸時なのですが、「FWS-S1」で果実をつぶさずに程良く固定する絶妙な力加減でフィルムを巻くと、振動の衝撃を果実に与えにくくなりました。
「FWS-S1」導入以前は、その絶妙な力加減を体で覚える必要がありましたが、梱包を機械化した現在は、新人への教育期間を短縮できただけでなく、1日の出荷量の見通しも立てやすくなっています。
というのも、「FWS-S1」導入前は梱包の美しさだけでなく、作業スピードもスタッフの習熟度に左右されていたのです。そうなると、出荷時間、つまりコストも日によってバラつきが生じてしまいます。
私たちは、法人として農業に取り組んでいます。職人技に頼るのではなく、あらゆる作業は標準化し、誰でもできる状態にしておかないといけない。その点、「FWS-S1」は、生産性の向上や標準化だけでなく、スタッフの作業時間や体力的な余裕も生みました。今後は、それらの時間をさらなる品質向上のための時間にあてて、皆様にもっと喜んでもらえるいちごを作っていきたいです。
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