のり殺し(のり面カット印刷)加工は、包装資材に新たな可能性を開く技術です。この技術では、タック紙のセパレーターと表面紙を一時的に剥離し、のり面に特別な透明インクを印刷し、再度貼り合わせます。この結果、のり面に印刷された部分はのりが付着せず、簡単に剥がすことができます。さらに、この加工はPET容器のリサイクル分別化にも適しています。
この技術は一般的に、ラベル面積の半分以上がのり殺しである場合に最も効果的ですが、ラベルの形状、のり殺しの位置、使用するのりの種類、印刷の方向などが加工の可否に影響を与えます。不確かな場合は、実際に印刷機で試作を行うことが必要です。
異なる種類ののり殺し
線引きのり殺し:
印刷流れ方向と平行に連続的に行われ、のりを線引きまたはのりテープで代用できる加工方法です。スイングラベルなどでよく見られます。
パターンのり殺し:
流れ方向に連続しないパターン的な加工方法です。開封用のユニバーサルデザインラベルに利用されます。
のり面1色刷り「のり面印刷」
この方法では、のり殺しと同じ原理でのり面に印刷が行われます。実際の製品では、くじの機能を持たせたり、シメジのラベルに調理方法を印刷したりするなど、さまざまな用途に活用されています。例として以下が挙げられます。
- くじ付きラベル
- レシピや説明書の情報
- クリア面を生かしたビジュアル効果
セパ裏面印刷
のり殺しとは異なり、表面紙とセパレーターを剥離せず、セパレーターの裏面に直接印刷を行います。この印刷にはセンターマークの印字も含まれます。ただし、セパレーターの裏面にポリエチレンラミを施した場合、インクの密着性が低下する可能性があるため、慎重に扱う必要があります。
のり殺し(のり面カット印刷)加工は、包装資材に多彩なデザインや機能を追加し、商品やブランドを際立たせるのに役立ちます。その特徴を活かして、魅力的な包装資材を制作しましょう。
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この記事の筆者
中嶋
OSP TOP NEWS 編集担当。
OSPの製品やサービスの情報から、包装や食品表示に関する法改正やトレンド情報まで、多岐にわたるジャンルの記事を20年以上にわたり執筆。
食品包装の豊富な知識を活かして、最近では製造メーカーの組合や、包材メーカーが主催の、衛生説明会に招かれて講師などを務める。
趣味はソルトルアーフィッシング。