輸出向け加工食品【vol.516】
作成日:2024年7月5日
最終更新日:2024年11月14日
アルコール飲料や調味料などの加工食品の輸出量が増えております。輸出先国の現状や政府の支援事例を 紹介いたします。輸出向け商品の取り扱いをお考えの方はご参照願います。
目次
加工食品の輸出額が増加傾向!
加工食品の輸出額は、2022年には農林水産物・食品の 輸出全体額1兆4千億円のうち、5千億円と約4割を占めており、 2030年の輸出額目標5兆円の達成に向けて重要な品目となっています。
加工食品の輸出の内訳と輸出先
2022年加工食品の輸出額上位
・アルコール飲料27.6%
・ソース混合調味料13.2%
・清涼飲料水9.5%
各項目の輸出先
・アルコール飲料の輸出先:中国 米国 台湾 香港 シンガポール
・醤油の輸出先:米国 中国 オーストラリア 韓国 英国
・清涼飲料水の輸出先:中国 米国 香港 ベトナム オーストラリア
・菓子の輸出先:中国 香港 米国 台湾 韓国
左から輸出量順
日本政府の取り組み
GFP加工食品部会(委託事業)セミナーや合同相談会等を開催
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/soumu/bunkakai.html
農林水産省のサイトで加工食品クラスター(補助事業)の取り組み事例を公開
加工食品クラスターとは、単独では難しい資金面や人的面の課題やノウハウ不足などを克服するために複数の食品製造事業者が連携して輸出拡大に取り組む体制のことを言います。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/soumu/cluster/zirei.html
その他日本政府の取り組み
海外食品添加物の規制早見表を作成して公開(補助事業)
自社製品の輸出検討時に輸出先国での「使用可否の判断」ができるよう、食品産業センターが添加物の早見表を作成しております。
https://yushutukisei.com/food_additives_list/
農林水産省が食品の輸出に必要な成分分析や外国語ラベル作成などを支援!
農林水産物・食品を輸出する際には、輸出先国の食品表示制度に合わせる必要があるため、栄養成分(例:トランス脂肪酸等)の追加的な分析、表示ラベルの外国語翻訳、ステッカー作成等の対応を行わなければならない場合があります。
加工食品の輸出のメリットと課題
メリット
・生鮮食品に比べ輸出禁止されるケースが少ない
・賞味期限が長く周年輸出が容易
・付加価値をつけることが可能
課題
輸出先国の食品安全や添加物、表示、容器、包材等の規制、基準について国や品目、製品ごとの対応が必要。国内向けと別の製造ライン施設が必要な場合も。
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この記事の筆者
中嶋
OSP TOP NEWS 編集担当。
OSPの製品やサービスの情報から、包装や食品表示に関する法改正やトレンド情報まで、多岐にわたるジャンルの記事を20年以上にわたり執筆。
食品包装の豊富な知識を活かして、最近では製造メーカーの組合や、包材メーカーが主催の、衛生説明会に招かれて講師などを務める。
趣味はソルトルアーフィッシング。